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コラム 生活保護の現場から - 生活保護申請のことは岡行政書士事務所

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コラム 生活保護の現場から

保護費のやり繰りによって生じた預貯金は認められています

公開日:2018年01月14日(日)

 最近、生活保護を受けている方から、「保護費を節約して貯金をしたら、保護を打ち切られた」とか、「子どもの学費の足しにしようと貯金したら、保護費をカットされた」等という相談が相次いでいます。

これは、明らかな法律違反、厚生労働省の「通達」違反です。

 厚生労働省発行の「平成29年度生活保護実施要領等」の22㌻「問(第3の18)生活保護の受給中、既に支給された保護費のやり繰りによって生じた預貯金等がある場合はどのように取り扱ったらよいか。」では、「当該預貯金等が既に支給された保護費のやり繰りによって生じたものと判断されるときは、当該預貯金等の使用目的を聴取し、その使用目的が生活保護の趣旨目的に反しないと認められる場合については、活用すべき資産には当たらないものとして、保有を容認して差しつかえない。」と、ハッキリ書かれています。つまり貯金は認められているのです。

 また、「問(第3182 高等学校等に就学中の者がいる被保護世帯において、当該者が高等学校等卒業後、専修学校、各種学校又は大学に就学するために必要な 経費に充てるため、保護費のやり繰りにより預貯金等をすることは認められるか。」では

具体的な就労自立に関する本人の希望や意思が明らかであり、また、生活態度等から卒業時の資格取得が見込めるなど特に自立助長に効果 的であると認められること。

就労に資する資格を取得することが可能な専修学校、各種学校又は大学に就学すること。

当該預貯金等の使用目的が、高等学校等卒業後、専修学校、各種学校又は大学に就学するために必要な経費(事前に必要な入学料等に限る。) に充てるものであること。

やり繰りで生じる預貯金等で対応する経費の内容や金額が、具体的かつ明確になっているものであって、原則として、やり繰りを行う前に 保護の実施機関の承認を得ていること。

 「以上の4つのいずれにも該当する場合、保護 費のやり繰りによって生じた預貯金等は、その使用目的が生活保護の趣旨目的に反しないと認められるものとして、保有を容認して差しつかえない。」と書かれています。

 つまり、「子どもの学費の足しにしようと貯金したら、保護費をカットされた」というのは、この通達にも反している不当な処分なのです。

 こうした場合、是非岡行政書士事務所にご相談下さい。

生活保護世帯は大学や専門学校には行けないのか?

公開日:2018年01月10日(水)

 今日は、宮城県の方から、お子さんが看護専門学校に合格し、4月から入学することになっているが、福祉事務所のケースワーカーからは、行けるかどうか確認が取れないので不安になってきたという質問がありました。

 心配されなくても、お子さんを看護専門学校に行かせてあげることは可能です。

 但し問題なのは、お子さんを、生活保護上は「世帯分離」の措置をとって、生活保護世帯から除くやり方で、行けるようにしているということです。

 つまり、高校までは生活保護世帯の一員とみなして、生活扶助や医療扶助、教育扶助も支給するが、大学以上(短大や専門学校)の場合は、「本来働いて生活費を稼ぎ、早く生活保護から自立すべし」という考え方で、大学等に行くことは認めるが、同一世帯でも生活保護だけは「別世帯」として扱って、生活保護費は支給しないというやり方なのです。

 生活保護の実施要領(局長通知第1の5(2))では、「世帯分離」によって進学を認める場合として、①保護開始時に現に大学に就学しており、大学を続けることが世帯の自立助長に効果的であると認められる場合、②貸与金当を受けて大学で就学する場合、③専修学校又は各種学校で就学する場合であって、その就学が特に世帯の自立助長に効果的であると認められる場合、の3つを明記しています。

 よって、この世帯の場合も十分進学は可能なのです。

 但し、最低生活費の計算上、進学するお子さんの分が減額される為に、最低生活費が収入認定額を下回り、保護が打ち切りになる場合もあります。また、打ち切りにならなくても、保護支給額が大幅に減額され、それでなくても苦しい生活保護世帯の生活を圧迫します。進学するお子さんは医療扶助も使えません。

 大学(短大や専門学校)進学率は6割を超えています。早急な制度の見直しが求められています。

パソコンは処分しなければならないの?

公開日:2017年07月13日(木)

今日は愛知県の方から、「ケースワーカーにパソコンは処分してお金に換えろと言われた」との相談がありました。

早速担当のケースワーカーに電話してみると、どうも彼の法律や実施要領に対する「不理解」が原因の様でした。

つまり生活保護を受けるためには、資産は原則売却してお金に換えることが必要と思っていたようです。

しかし、これは明白に間違いです。

資産の活用については、「次官通知第三」では「最低生活の内容としてその所有又は利用を容認するに適しない資産は、次の場合を除き、原則として処分のうえ、最低限度の生活の維持のために活用させること」と書かれています。

そして「最低限度の生活維持のために活用されて」いるもの「自立の助長」に効果があるもの、「売却代金よりも売却費用が高い」ものなどは例外になっているのです。つまり原則保有は認められているのです。

パソコンも当然保有は認められます。

パソコンは、生活用品の一部ですが、「利用の必要があり、かつ、その保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められるものは、保有を認めること」(局長通知第三)になっています。因みに「一般世帯との均衡を失することにならない」基準は普及率7割です。

日本におけるパソコンの普及率は、「携帯電話・PHS及びパソコンの世帯普及率は、それぞれ94.5%、75.8%となっている」(総務省『情報通信白書』平成25年度版)とのことですから、一般世帯との均衡を失することにならないのは明確です。

実施要領を「紹介」して抗議し、パソコン処分の指導は撤回させることができました。しかし、全国津々浦々でこうした間違った「指導」がまかり通り、要保護者、保護受給者を悩ませているのでしょう。困ったときは是非ご相談ください。

 

遺棄され、虐待・・・親の愛情知らずに育った青年からの相談

公開日:2016年12月10日(土)

最近あった相談は、20代前半の若い人から。

生まれて直ぐに両親に遺棄され、施設で育った。

父親は生まれる前に蒸発し、名前すら知らない。

小学校のとき、施設に突然母親を名乗る女性が現れ、引き取られたが、その母親からは酷い虐待を受けた。

3人兄弟だが、名前を知っているぐらいでほとんど記憶がない。

中々職につくことができず、「自立支援センター」で世話になったらしい。やっと職を見つけ他府県に移動したが、それは何故かキャンセルとなりまた大阪に戻ってきた。住むところがなく知人宅に居候状態だったが、家主から追い出され、今はネットカフェを転々としている。鬱病を患い、一人でいると「死にたい」「自分なんてこの世にいても何の意味も無い」という気持ちに襲われる。

動こうとしても全く力が入らず、仕事をする気力が全く失せている。このままでは確実に路上生活に陥るだろう。

 

先ずは温かい布団で寝ることのできる住居と、朝昼晩キチンと食事を採ることのできる環境をつくって、心を癒やし、働く職場をさがし自立しようと、生活保護申請を手伝うことになった。

「自分は甘えているのか?」「自分さえしっかりしたら生保は受けなくていいのに」という気持ちも拭いきれない。

でもいままでの彼の人生を考えたら、ここらで一休みすべきではないか?長い人生の中で、何年かの生活保護生活なんてほんの小さなもの。心と身体を回復させて働けば十分借りは返せるのだ。

 

最後のセーフティーネットはこういうときにも役にたつものではないのか?

 

 

 

風呂の設置はできるのか?

公開日:2016年11月22日(火)

今日は生活保護受給中の方から、「お風呂のない家に住んでいるが、風呂は保護費で設置してもらえるのか?」という相談がありました。

風呂が壊れたときは、近隣に公衆浴場がない場合は、補修費の範囲で修理を認めてもいいことになっています。補修費等の住宅維持費は年額12万円です。

しかし新たに設置が出来るのは、「重度の心身障害者、歩行困難な高齢者等が自宅において入浴することが真に必要と認められる場合、又はこれ以外の者が他に適当な入浴の方法がないと認められる場合は、修理の場合と同様、「補修費の範囲で修理を認めてもいい」ことになっています。

その他、便所の設置やシロアリ駆除の費用、網戸の設置費用も支給対象になっています。

(参考『生活保護手帳2016年度版』

通院の費用は支給されるのか?

公開日:2016年09月20日(火)

今日は、連休明けで沢山の電話相談が寄せられています。

Aさんは生活保護受給中ですが、「パニック障害でバスや電車に乗ることができず、タクシーを利用しているが費用は生活保護から出るのか」という質問・相談がありました。

通院のための費用については、「移送の給付」として支給されることになっています。

但し、「療養に必要な最小限度の日数に限り、傷病等の状態に応じて経済的かつ合理的な経路及び交通手段に行うものであること」が必要です。

給付の範囲は、医療機関に電車・バス等により受診する場合で、交通費が必要な場合や、傷病、傷害等の状態により、電車・バス等の利用が著しく困難な者が医療機関に受診する際の交通費が必要な場合(タクシーに乗る場合)等です。

このケースの場合は、パニック障害が「電車・バス等の利用が著しく困難」な場合に該当するのかどうかが判断の分かれ目になるでしょう。

原則として事前の申請が必要となり、福祉事務所は主治医の意見を確認して当否を決めることになっていますので、事前に主治医に相談して、申請すればよいでしょう。

 

生保受給者を食い物にする「無料・低額宿泊所」

公開日:2016年08月30日(火)

昨日は、mailで4件、電話で13件、合計17件の新たな相談がありました。これは、この仕事を始めて1日の相談件数としては過去最高です。私のサイトを見つけ、信頼して相談される方が増えるのは嬉しいが、逆に考えるとそれだけ生活保護申請の現場が厳しいということで喜んではいられない事態です。

ところで、8月28日付の「朝日デジタル版」によると、生活保護の受給者らに住居を提供する「無料低額宿泊所」のうち4割近くは、厚生労働省が定めるガイドラインの個室面積基準を下回ることが分かったらしい。無料低額宿泊所は、生活保護の受給者を囲い込んで保護費を吸い上げる「貧困ビジネス」の温床とされています。

「さいたま市見沼区内の宿泊所に入居していた60代の男性は、支給される生活保護費約12万円のうち、約11万円を施設に支払っていた。施設ではそのカネのうち、保護費支給日に1万円、その後は2日に1回1千円が支給されるという。(「産経デジタル版」2015.3.8より)」

何で、そんなところに自ら入るのか不思議だが、「住所がないと保護を受けられなくなるが、それでもいいのか」と脅され、出るにでられないと言うことらしい。

生活保護の実施要領では、「住所がないと保護を受けられない」ことはないことになっており、当事務所ではホームレスの方の相談を数多く受け、全て施設ではなく、居宅での保護を実現してきました。

こうした方は、ぜひご相談下さい。「貧困ビジネス」からの「脱却」のお手伝いをいたしましょう。

「家賃が高すぎるので保護は受けられない」は間違いです

公開日:2016年08月27日(土)

昨日は、mailで3件、電話で4件の新たな相談がありました。

兵庫県のHさんは61歳の男性。「兄の面倒見ていたが私も仕事がなくなり、このままでは2人共生活ができません」とのご相談です。一度市役所に申請に行き、難しいようだったら援助することを約束しました。

同じく兵庫県のYさんは2級の精神障害者。年金だけでは生活できないので、生活保護を受けたいという相談です。「中々一人では申請できない」ということなので、代理人として申請することになりました。

福島県のAさんは、精神病で働けない状況です。しかし以前申請に行ったときは、「家賃が高すぎるので安いところに転居しないと生活保護は受けられない」と断られたそうです。しかし、この福祉事務所の説明は全く間違っています。基準額以上の家賃のところに住んでいると生活保護が受けられないという決まりは何もありません。生活保護開始後に、基準額以内の住居への転居指導が行われますが、その際は転居に伴う経費(権利金や仲介手数料)も支給されることになっているのです。来月もう一度相談されるとのことでした。

盗難に遭った保護費の再支給が決まりました 兵庫県Tさん

公開日:2016年08月26日(金)

兵庫県のTさんは、買い物に出かけようとして、財布を落とし、見付かったものの中の現金4万円が抜き取られてました。警察に被害届も出しましたが、福祉事務所に相談すると「再支給は不可能」と言われ途方に暮れていました。

しかし、保護費の盗難や紛失の場合の取り扱いも生活保護の実施要領にはきちんと定めがされています。「盗難、強奪」の場合は警察への被害届を出しているかどうか、紛失については、「社会通念上一般に要求される程度の注意」を払っていたかどうかを判断基準にして再支給が可能としているのです。

ですから、当然Tさんの場合も再支給の要件を満たしているとみるべきです。当事務所が代理人となって再支給を申請し、福祉事務所から「一時扶助」として盗難分が再支給されることになりました。

昨日は、mailで1件、電話で1件、合計2件の新たな相談がありました。埼玉県のSさんは4人も子どもを持つ母子家庭。しかも現在妊娠中で働くことができません。家は家賃の滞納で追い出され、現在友人宅に身を寄せています。福祉事務所に相談すると「住所がないと受けられない」「実家に帰ったらどうか」と言われ、申請は受け付けてもらえなかったそうです。しかし新たな家に引っ越しするお金があるはずもなく、今更実家に頼ることもできません。ネットで探し、当事務所に相談があり、代理人として申請することになりました。

働く能力があっても、失業している場合は生活保護が受けられます

公開日:2016年08月25日(木)

一昨日はmail1件、電話1件、昨日はmail2件、電話1件、両日で合計5件の新たな相談がありました。

千葉県のNさんは、弟さんの相談です。現在56歳ですが、何回面接に行っても就職が決まらず、現在は無職・無収入。お兄さんがこれまで援助してきましたが、「もう限界」と生活保護申請の相談です。生活保護は、「その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」ことが原則です。

しかしいくら「能力」があっても働くところがあり、実際に収入を得ることができないと、生活することはできません。

国も、「稼働能力を活用しているか否かについては、①稼働能力があるか否か②その具体的な稼働能力を前提として、その能力を活用する意思があるか否か③実際に稼働能力を活用する就労の場を得ることができるか否かにより判断すること。」(局長通知第4『生活保護手帳2016年度版』 228㌻)と明確に述べています。つまりこの方のように稼働年齢であることだけをもって、「稼働能力を活用していない」=「保護申請却下」という判断をしてはいけないと言うことです。これは、最低生活の保障を目的とする生活保護制度としては当然のことです。当然このケースでも生活保護を受ける権利はあるということであり、代理人として申請することになりました。