保護費の費用返還義務とは何ですか?

生活保護法第63条は「被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。」と定めています。

これは生活保護を既に受けている世帯が、相続、障害年金の遡及支給等により予期せぬお金が入った場合に、既に支給された保護費を医療扶助を含めて返還する義務があることを定めたものです。

いつからの保護費を返還すべきかが大きな問題です。

原則は「資力が発生した時点」からの保護費ということになります。 

相続の場合は被相続人の死亡日、障害年金の場合は年金支給事由が発生したとき、つまり遡及支給される月に遡って返還義務のある保護費の範囲が決定されます。

返還すべき額は、保護費の全額か、それとも一部かという点については、『生活保護手帳別冊問答集』問13−5法第63条に基づく返還額の決定の中で「保護金品の全額を返還額とすることが当該世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については、次の範囲においてそれぞれの額を本来の要返還額から控除して返還額を決定する取扱いとして差し支えない」と定めています。

上記「次の範囲」の中には、「当該世帯の自立更生のためのやむを得ない用途にあてれられたもの」や「当該収入があったことを契機に世帯が保護から脱却する場合にあっては、今後の生活設計等から判断して当該世帯の自立更生のために真に必要と実施期間が認めた額」、死亡を理由として臨時に受けとる保険金など「収入として認定しないもの」が含まれていますので、必ずしも対象となる保護費の全額ではありません。