
先日は性風俗で働く21歳の女性からの生活保護相談があった。
客に梅毒を感染され、働けなくなり、家賃も払えなくなったらしい。
性風俗嬢は定期的な性病検査を店側から求められるが、感染した場合の治療費等は全く出ない。感染が分かった途端に仕事は無くなる。補償は全くないので、その日から一円も入ってこなくなるので、生活が一気に行き詰まる。風俗以外で生きていく術を知らない子も多い。母子家庭の場合は更に深刻だ。
相談に来た彼女の場合は梅毒感染から6ヶ月も治療を受けることができず、身体にカサカサも出来てきたので、一刻の猶予も出来ない。直ぐに生活保護申請書を代理人として作成し、管轄の福祉事務所に送付した。2、3日後福祉事務所から連絡があったので、事情を説明し、医療扶助だけでも直ぐに受けることのできるように要請した。
福祉事務所も彼女の事情を理解して頂き、「直ぐにでも面談に来て欲しい」ということだった。
こちらは一刻争うことと思っているのだが、彼女は何とも腰が重い。
行くと言っていた日には、生理痛が酷く行けないと言う。
週明けの月曜日は現地は豪雨だったが、傘がないので行けないと言う。
その次の日は絶対に行こうと思っていたが寝てしまった。化粧等の準備に1時間半かかるので、今日は間に合わないので明日は絶対に行くと言う。
折角心配して皆動いているのだが、本人はこの調子だ。申請から早くも1週間が過ぎてしまった。
こういう手のかかる子も多いのが事実だが、だからこそ支えてやる者も必要なのだろうと自分を納得させている。
「性風俗も立派な職業」というのはどう考えても偽善的だ。できれば他の職業に就いて普通に暮らせたらその方がいいだろう。しかし需要と供給の双方が無くなることは無い。よってこういう相談も後を絶たない。生活保護を受けても、最低生活費での生活に彼女が耐えられるかも心配だ。自立してもパートの低賃金の生活ができるかと言えばそれも疑問だ。病気が治れば結局元の仕事に戻っていくのだろうか?