岡行政書士事務所の「生活支援サポート」には、毎日毎日、10件から20件の相談がメールや電話で寄せられる。
中には自分勝手な相談も多い。

19時46分に「本日の住む場所がない」とコールセンターに電話してきて、20時31分には再度電話があり、「折り返しあるっていってないじゃなねえか冗談かおい。やかましいわ、馬鹿」と罵声を浴びせた女。
こちらも貴女だけの専属ではないので、いつもいつも即対応はできませんよ!

家も失いお金もなく明日のでも「ホームレスになりそうだ」と言う三重県の男性。
「こちらで確保している住居は大阪と神戸なので、ここまで来るならバス代も立て替えてもいい」と案内すると、「荷物が多いが引っ越し代も出してくれるのか」と聞いてくる。挙げ句の果てには「最低でも3DK以上の間取りでないと困る」と言い出す始末だ。「そもそも明日にもホームレスかという状況を理解しているのか」と聞きたくなる。
お金も無く、仕事も無く、保証人もいない者に引っ越し代を負担し、3DK以上の間取りの部屋を提供してくれる家主さんはどこにもいないだろう。

生活保護申請代行だけなら全国どこでも対応可能だが、家の紹介となると提携している家主さんも物件も限られてくる。ホームレスよりワンルームマンションでも雨露しのげるところがあるほうがいいだろうし、少々移動が必要で環境が変わっても我慢できると思うのだが、それができない。

こういうホームレス状態の者をターゲットにしている「貧困ビジネス」が横行しているので、彼らにとって「選択肢」が多いのもこういう身勝手を許す要因にもなっているのだろう。
しかし甘い言葉で「貧困ビジネス」の世話になると大変なことになる。
通帳も印鑑もキャッシュカードも預けさせられ、保護費のほとんどが「収奪」されてしまう。行政も見て見ぬ振りをするだけでなく、家のない相談者にはこういう怪しげなところを平気で紹介する。

こういうところの餌食になる前に正しい選択をして欲しいと願うばかりだ。